村山由佳さんの『遥かなる水の音』を読んでみました。今年2冊目の読書。
あらすじは、「僕が死んだら、遺灰をサハラに撒いてほしい」、ひとりの青年の遺言を叶えるため、
モロッコを旅することになる4人。4人はさまざまな事情を抱えながら、異国を旅し、その中で4人
は徐々に互いの抱える問題や思いに気がついていく。魂の拠りどころを求めて彷徨う男女の姿を
通じて、多様な愛のかたちを描いた意欲作。
6人の登場人物がそれぞれの思いを綴るように話は進んでいく。その話たちは重ならないのに、
幾重にも重なり続けているような滑らかで僕の中に吸収されていく。
違和感もなく、リズムよく、でも明確に話は進んでいく。引き込まれてしまう。キリのいいところで、
僕は大きな伸びをする。僕の脳は新鮮な空気とともに作者の巧妙さで満たされていく。
僕は、ひとつの本の中で、十も二十もの違う味が見つかるような本は好きじゃない。
そんなシンプルなのに、ひとつひとつの印象が鮮やかに心に残る本でした。
3回泣きました。涙がこそばゆく頬を伝いました。
今年読んだ中で間違いなく1番です。
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